はじめに
「レヴォリューション」というタイトルや政治的な歌詞、歪んだギターとファルセット(裏声)、ポール・マッカートニーの「アーーーォゥ!」というシャウトがなんとも印象的なこの曲。
上記のYouTubeバージョンは実はシングル音源で、アルバムバージョン(タイトルは「レヴォリューション1」)は別にあります。
「ちょっとミックスが違うだけ」というようなありがちなモノではなく、
テンポも歌詞もアレンジも違う全くの別物です。
なぜ同じ曲で全く違う2つのバージョンが生まれたのか。
それは、
シングル候補としてレコーディングしたものの、
「テンポが遅すぎる」とポール・マッカートニーやジョージ・ハリスンが言ったから。
です。
使用楽器も含めてみていきます。
①「レヴォリューション1」アルバム・バージョン
概要
発売日:1968年11月22日(アルバム「ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)」に収録)
録音時期:1968年5月30日
解説:1968年のビートルズのアルバム「ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)」に収録されています(2枚目LPのB面1曲目)。
メンバーでインドへ瞑想を習いに行った時に、ジョン・レノンが書いた曲。このアルバム・セッションの初日にレコーディングされました。
ポイントは
①BPM約100程度のゆっくりとしたブギースタイルのアレンジだということ。
②ドゥーワップ調のコーラスが入っていること。
③歌詞の途中で「破壊を口にするなら僕を仲間に入れないでくれ」と歌った後にすかさず「入れてくれ」と歌っていることが挙げられます。
※BPMとはBeat Per Minutesの略。テンポを表していて、多ければ多いほど早い。
※ビートルズはデビュー当初、マネージャー、のブライアン・エプスタインから政治的な発言をしないように言われていました。しかし、1967年に彼が亡くなった事で、特にジョンが政治色を強めていきます。
使用楽器
中古 【Gibson】【550本限定】ギブソン『E.アコースティックギター』J-160E John Lennon 0年製 エレアコギター 1週間保証
②「レヴォリューション」シングル・バージョン
概要
発売日:1968年8月28日
レコーディング時期:1968年7月10日から7月12日
解説:アルバムバージョンが出来た後に、録り直されました。
①テンポをBPM120ほどに上がっていること。
②ジョンが弾く歪んだギター
(「レヴォリューション1」の方はアコースティックギターが聴こえましたが、こちらには全く入っていません。)
③「破壊を口にするなら僕を仲間に入れないでくれ」を言い切っていること。
※リリース順としてはこのシングルの方が早く出てしまったため、大衆にはジョンの態度が軟化していると捉えられましたが、実際は逆でした。
現在はアルバム「パストマスターズvol.2」で聴くことが出来ます。
使用楽器
Epiphone/Elitist 1965 Casino Vintage Sunburst エピフォン エレキギター カジノ
③おまけ「レヴォリューション9」
発売日:1968年11月22日(アルバム「ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)」に収録)
解説:アルバム「ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)」の2枚目LPの12曲目。
「レヴォリューション1」の演奏を部分をテープカットして、別の音源と重ね合わせるなどしています。いわゆるサウンド・コラージュ作品。
ジョンが誇らしげにこの曲をメンバーに聴かせたとき、ポール・マッカートニーは「悪くない」とだけ言い、他のメンバーは黙っていたといいます。
アルバムに入れることを他のメンバーは反対しましたが、ジョンは譲りませんでした。
オノ・ヨーコからの影響が強く感じられる一曲です。