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「オール・シングス・マスト・パス(All Things Must Pass)」とは?
概要
リリース:1970年11月27日
録音時期:1970年5月から10月
参加ミュージシャン:
エリック・クラプトン
リンゴ・スター
バッド・フィンガー(バンド)
ビリー・プレストン
アラン・ホワイト(ドラムス)
フィル・コリンズ
クラウス・フォアマン(ベース)※「リボルバー」のジャケットを作った人でもあります
製作背景
ポイント
①解散状態だったビートルズ
②初のソロ作品で全米・全英一位獲得
③日の目を見た名曲群
解散状態だったビートルズ
1969年9月にジョン・レノンが「バンドと離婚したい」と言い出し脱退。
1970年4月にポール・マッカートニーもビートルズ脱退宣言をした後、ソロ作品「マッカートニー」をリリース。
ビートルズ本体の方も5月にアルバム「Let It Be」を発売後、事実上の解散状態にありました。
初のソロ作品で全米・全英一位獲得
映画のサントラを一人で担当したり、エリック・クラプトンとツアーに参加したり
もともとソロ活動に意欲的だったジョージ・ハリスンも1970年5月からソロ作品のレコーディングを開始します(プロデューサーはフィル・スペクター)。
病気を患っていた母親を看取ったりしながらも10月にレコーディングは終了。
11月に3枚組としてリリースされると全米でも全英でも一位を獲得します。
これはポール・マッカートニー「マッカートニー」でも、
ジョン・レノン「ジョンの魂」でも成し遂げられなかった快挙でした。
ビートルズのアルバムでは二人の作品群に押しやられ、収録されても1,2曲だったジョージですが
この作品で自身のソングライターとしての評価を確固たるものにしました。
日の目を見た名曲群
ここに収録されたいくつかの曲は、ビートルズでも録音を試みたものがいくつかありました。
「Isn't It A Pity」「All Things Must Pass」などがそれにあたります。
ビートルズではいわゆるボツになってしまった曲を仕上げ直すことで、
溜飲を下げる思いも少なからずジョージにはあったでしょうし、それは十二分に成功しているといえるでしょう。
収録曲(おススメ付き★)
Disc1(★はおススメ曲)
①I'd Have You Anytime
②My Sweet Lord★
③Wah-Wah
④ Isn't It a Pity (Version One)★
⑤What is Life★
⑥ If Not for You
⑦ Behind That Locked Door
⑧ Let It Down
⑨Run of The Mill
Disc2
①Beware of Darkness
②Apple Scruffs
③Ballad of Sir Frankie Crisp (Let It Roll)
④Awaiting on You All
⑤ All Things Must Pass
⑥ I Dig Love
⑦Art of Dying
⑧Isn't It a Pity (Version Two)
⑨Hear Me Lord
Disc3
①Out of The Blue
②It's Johnny's Birthday (Based upon "Congraturations" by Martin & Coulter)
③Plug Me in
④I Remember Jeep
⑤Thanks for the Pepperoni
まとめ「オール・シングス・マスト・パス(All Things Must Pass)」
ジョージの才能がようやく日の目をみた、というのがこの作品の立ち位置だったりするのですが、
この1970年11月の時点でジョージはまだ27歳なんですよね(写真が渋すぎますが)。
年長者のジョンやその二個下のポールが才能を開花させた1967年あたりの時期ともいえますから、
正にアーティストとして脂にのったタイミングだったんでしょう。
19歳でデビューしたジョージが天才にもまれながら、自身の芸術性を開花させた記念碑的一枚をどうぞお楽しみください!