1966年8月5日7thアルバム「Revolver」
1966年8月29日 コンサート公演を終了
1967年6月1日 8thアルバム「Sgt pepper's lonely hearts club band」
1967年8月27日 マネージャー、ブライアン・エプスタイン死去
1968年 ビートルズ自らの会社組織「アップル・コア」の設立
このように1966年から1968年にかけて、その後のポップ・ミュージックの概念を定義するような傑作アルバム（シングル）を次々リリースする中で、ビートルズ（The Beatles）を取り巻く状況は大きく変わっていきました。
そんな状況下でリリースされた9枚目のアルバム「ザ・ビートルズ（通称ホワイト・アルバム）」は、
聴く人によって、大きく評価が分かれる作品です。
「これこそがビートルズの最高傑作！」
「まとまりが全然ない。つまらない」
その理由は何処にあるのでしょうか。
ポイントは
①ほぼ別々のアーティストとしての4人の切磋琢磨が伝わってくる
②これまでの音楽史を総括するように様々な音楽を取り込んでいる
です。
では一つ一つ見ていきましょう。
「ザ・ビートルズ（ホワイト・アルバム）」とは？
リリース：1968年11月22日
録音：1968年5月30日から10月14日
解説：1968年2月から4月にかけてインドのリシケーシュにて瞑想修行を行っていた時に書かれたものです。その後5月にジョージの自宅に全員であつまり、26曲のデモテープを作成。それを経て本格的なレコーディングが開始されました。
このレコーディングから8トラック・レコーダーが導入され、メンバーが同時に演奏を行う必要がなくなっていきました。その影響を受けて、メンバーが個別で録音したものが増えています。
カバーアート：画家リチャード・ハミルトンとポール・マッカートニーがデザイン。サイケデリックな色調のものが流行していた当時、白一色の今作は異色でした。
収録曲（DISC1）
①Back In The U.S.S.R.
ポール作。ビーチ・ボーイズ「カリフォルニア・ガール」のパロディ。リンゴ・スターの演奏に納得がいかなかったポールが度々注文を付け、激怒したリンゴが一度グループを脱退しています（結果この曲ではポールがドラムを叩いています）。
②Dear Prudence
ジョン・レノンの作品。インド滞在中に同行していたドノヴァンから「3フィンガー」というギターの演奏方法を教わり、それが活かされています。ドラムはポール。
③Glass Onion
ジョンの作品。バンドの演奏とジョージ・マーティンアレンジによるストリングスが混ざり合って非常によくできています。
④Ob-La-Di, Ob-La-Da
ポールの作品でビートルズ初のレゲエ・ソング、やカリプソ・ソングなどと呼ばれたりします。とてもポップで誰もが耳なじみのある曲でしょう。イントロのピアノはジョン。こんなに楽し気な曲ですが、険悪な雰囲気な中録音されたらしいです。
⑤Wild Honey Pie
ポールの曲で、演奏も全てポール。
⑥The Continuing Story Of Bungalow Bill
ジョンの作品。一部オノ・ヨーコも歌っています。
⑦While My Guitar Gently Weeps
ジョージ・ハリスン作品。彼の代表作の一つです。①で脱退していたリンゴが約2週間ぶりにバンドに戻っています。ギターにはエリック・クラプトンが参加。バンドの雰囲気緩和に一役買ったといいます。
⑧Happiness Is A Warm Gun
ジョンの曲。3つの曲を一つにつなげています。曲中で全く別の作品になるのはもうジョンの十八番ですね。着想は薬物のトリップ体験から得たとされており、また「Gun」が何を指しているかは「注射」「性交」など諸説あります。
⑨Martha My Dear
⑩I'm So Tired
⑪Blackbird
⑫Piggies
⑬Rocky Raccoon
⑭Don't Pass Me By
⑮Why Don't We Do It In The Road?
⑯I Will
⑰Julia
収録曲（DISC2）
①Birthday
②Yer Blues
③Mother Nature's Son
④Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey
⑤Sexy Sadie
⑥Helter Skelter
⑦Long, Long, Long
⑧Revolution 1
⑨Honey Pie
⑩Savoy Truffle
⑪Cry Baby Cry
⑫Revolution 9
⑬Good Night
まとめ「ザ・ビートルズ（ホワイト・アルバム）」
以上、「ザ・ビートルズ（ホワイト・アルバム）」解説でした。バンド初の2枚組で、収録時間は90分以上（これまでは長くて30分台でした）といろいろ型破りな作品ですが、稀代の才能をもったアーティスト4人が広がる可能性の中で切磋琢磨しているのが伝わってきます。
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