The Beatles「Rubber Soul」、その魅力をどこよりも分かりやすく解説します!

イギリスを代表するロック・バンド

The Beatles

「世界一のバンドは?」と訊かれたらおそらく彼らが一位になるでしょう。

そんな彼らが他のバンドと大きく差をつけるのが1965~1967年の

「中期」と呼ばれる時期の作品群です。

その黄金期の幕明けを告げるアルバムが、

「Rubber Soul」

です。

ポップ・ロック史にキラキラと光り輝くこのアルバムの魅力とは、

①成熟したジョンのソングライティング(「Nowhere Man」、「In My Life」、「Norwegian Wood」など)

②サウンドの革新(「Drive My Car」、「Think For Yourself」)

です。

それでは一つ一つ見ていきましょう。

Rubber Soul とは?

リリース:1965年12月3日

録音:1965年6月17日、10月12日から11月11日

アートワーク:ロバート・フリーマンがジョンの家で撮影したもの。ボール紙へ写したときに、予期せず生まれた歪みをメンバーが面白がりそのまま採用されました。

解説:アメリカに進出し様々な刺激を受けた彼らですが、このアルバムではそれらの影響が花開き始めています。シタールやファズ・ベースなどの新しいサウンド、薬物のトリップ感です。前々作「Beatles For Sale」と同じようにクリスマスに間に合うように制作が進められました。また、この時期録音技術が発展し、イコライザー(特定の周波数帯の音を強調したり弱くしたりする)やコンプレッサー(音圧を調整する)をかけた以前とは違う「鳴り」が生まれています。

収録曲解説

Drive My Car

ポールの作品。モータウン・サウンドに影響をうけた強烈なリズム・セクションと、ギターリフで押していくスタイルが新しいです。ピアノ、ギターソロはポールが弾いています。

Norwegian Wood (This Bird Has Flown)

ジョンの作品。ジョンが当時の妻シンシアとは別の女性と関係を持ったことを仄めかしています。村上春樹の小説でも同名のものがあり、その作品内でも登場しています。シタールはジョージが演奏しており、ポップソングで初めてシタールが使われた曲ともいわれています。

You Won't See Me

ポールの作品。当時の婚約者ジェーン・アッシャーとの関係が上手くいかず、You Won't See Me「君は会ってくれない」と歎いています。演奏時間3分22秒で、この時期のビートルズとしては最長のものとなっています(この「Rubber Soul」収録曲は「You Won't See Me」以外すべて2分台。恐るべしです)。

Nowhere Man

ジョンの作品。ラブソングではなく哲学的な歌詞が印象的です。サウンド的にも終始ジョン・ジョージ・ポールの三声コーラスがリードしとてもきれいです。またこの曲のギターソロは、ブリッジ部分に非常に近い部分で弾かれていて「固め」の音を作り出しています。

Think For Yourself

ジョージの作品。歌詞はラブソングの体でありながら、実際には当時の政治批判を行っています。そういった意味でもボブ・ディランの影響が色濃く出ています。耳に残るベース音はファズを通したもので、ポールが弾いています。

The Word

ジョンとポールの共作。恋愛というよりは「愛」という感情や概念を歌った歌。

Michelle

ポールの代表作。冒頭の歌詞はフランス語で歌われ、メロディー自体もシャンソン風です。ポールの幅広い音楽性がよくあらわれた作品となっていて、シングル曲ではないのにもかかわらず、1967年度グラミー賞で最優秀楽曲賞を獲得しているほど評価の高い曲です。

What Goes on

ジョンとポールの共作にリンゴが一部メロディーを書いています。ボーカルもリンゴなので、一般的にはリンゴのシンガーソングライターとしてのデビュー作と言われています。ジョンが弾くリズムギターがかっこいいですね。

Girl

ジョンの作品。非常に気怠いボーカルが特徴的で、息を吸い込む音が大々的にフューチャーされていていかにも「煙っぽい」曲となっています。

I'm Looking Through You

ポールの曲。「You Won't See Me」同様にジェーン・アッシャーに向けて書かれています。変わってしまった彼女を嘆く歌詞。ポールほどの人でもそんな気持ちになるのですね。

In My Life

主にジョンが書いた曲ですが、ポールも一部手伝っています。ビートルズ全期を通しても指折りの名曲で大変人気のある曲です。ジョンが過去を回想するような歌詞がノスタルジックな曲調で奏でられています。間奏部はジョージ・マーティンによるもの。

Wait

ポールかジョンの曲(双方の意見が食い違い、どちらが書いたか分かっていない)。前作「Help!」セッションの時にも録音されていましたが外されたものを、「曲数が足りない」という理由で再録したものです。たった半年足らずの間に彼らのサウンドは変わってしまったので、新たにマラカスやタンバリンを足すことで他の収録曲と波長を合わせています。

If I Needed Someone

ジョージの曲。12弦ギターを使用していて、「バーズ」の影響を受けていることをジョージ本人が認めています。

Run For Your Life

ジョンの作品。「書きなぐった」と本人が言っている通りややラフな印象の曲。この頃の風潮として「アルバムは14曲」という不文律があったためどうしても14曲そろえる必要がありました。この曲がどうとは言えないのですが、もう少し曲数を絞ればさらに名盤になったのかも、と思えなくもありません。

「Rubber Soul」まとめ

以上。The Beatles「Rubber Soul」の解説でした。

①成熟したジョンのソングライティング

②サウンドの革新

この2つのポイントを感じていただけたでしょうか。

探求心の赴くままに更新されるサウンドと、単なるラブソングではなくなってきた彼らの歌詞世界。これらは今後さらに続いていくことになります。雑誌などで「ロック名盤」特集などが組まれたとき、この作品が外れることはほぼありません。是非ともご一聴ください。

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