誰しもが頭を悩ませる税金。
それは20世紀最高のロックバンド、ビートルズも同じことでした。
特に彼らが活躍していた1960年代は、
最大で95%という税率がイギリスの富裕層には課せたれていたのです。
その対策として自分たちで会社を経営し、その報酬という形でお金を稼ぐ方法に乗り出しますが
結局うまくいかず、会社は破綻。
さらには、
それを一つのきっかけとしてビートルズは解散の道を進んでいくことになります。
本稿ではその経緯をご紹介します。
名演「TAXMAN」は高すぎる税率を皮肉った歌だった
1966年にリリースされた7枚目のオリジナル・アルバム「リボルバー」の一曲目「Taxman」。
この曲はその演奏のカッコよさも魅力ですが、歌詞も辛らつです。
(以下和訳)
私に今後の事をご案内させてください
アナタが1なら私は19です
だって私は税務官 税金を集めるのが仕事ですから
5%じゃ少なすぎるって?
全部取るわけじゃないんですから感謝してくださいよ
だって私は税務官 税金を集めるのが仕事です
ジョージ・ハリスンの曲ですが、珍しくジョン・レノンも手伝っています。
ポール・マッカートニーは気合の入ったギターソロを弾いていますし、税金に対する怒りは皆共通だったのでしょうね。
また、ここで出てくる「1:19」という信じられない取り分。
これは誇張でもなく実際の当時の富裕層に課せられていた税金なのです。
※1965年10月にビートルズのレコード輸出が外貨獲得に貢献しているとして、MBE勲章(大英帝国彰勲章)を受賞しています。賞なんてもらっても嬉しくはなかったでしょうが。。
デビュー直後から大ヒットを連発し、歴史を塗り替えていった彼等ですが次にぶち当たったのは高すぎる税金の壁だったと言えます。
いい作品を作っても作っても、自分たちには少ししか入ってこない。
この状況に当然ながら苛立ち始めます。
税金対策としての「アップル・コア社」の設立
「アップル・コア社」
もともとマネージャーのブライアン・エプスタインが税金対策に作った「アップル・パブリッシング」という音楽出版社がもとになっています。
1967年8月ブライアン・エプスタインの死後、彼等はマネジメントを自ら行っていくことを選び、
この「アップル・パブリッシング」をビートルズの会社として拡大することにしました(1968年)。
これが「アップル・コア社」の始まりです。
※個人が収入としてお金を受け取るよりも、会社からの報酬として受け取った方が税金が安くなることを狙ったんですね。
頓挫する理想
①エレクトロニクス部、②映画部、③出版部、④レコード部、⑤小売業
などの多くの事業を抱えてスタートしましたが、
結局レコード部門しか残りませんでした。
彼等はミュージシャンとしては天才でしたが、経営者としては未熟だったのです。
※今のように経営のノウハウなどがない時代の、20代中盤男子ですから当たり前です。
会社経営の失敗がやがて解散につながっていく
設立から一年で経営難に陥ってしまったアップル・コア。
これがきっかけでメンバー間の意見の対立が表面化し、
2年後ついにビートルズは解散してしまうのです。