アルバム「イエロー・サブマリン(Yellow Submarine)」とは?
概要
発売日:1969年1月17日
録音時期:1966年5月26日から1968年10月23日
解説:同名のアニメ映画のサウンドトラックとして製作されました。バンドはユナイテッド・アーティスツという会社と「アニメ映画のサウンドトラックとして新曲を作る」という契約を交わしていて、ある意味義務として作られました。が、実際には殆どが以前のセッションからのアウト・テイクを集めたものとなっています(例えばタイトルトラックの「Yellow Submarine」は、1966年のアルバム「Revolver」で聴けます)。それもそのはず、この時期のビートルズは、各個人がやりたいようにやったアルバム「ザ・ビートルズ(ホワイトアルバム)」を作り終えたばかりで、完全にバンドへの意欲を失っていました。ビートルズ活動中にリリースされたスタジオアルバムとしては、唯一全英でも全米でも一位になれませんでした。
買わなくていい。のか?
収録曲はどれを聴いていても聴きどころがあまりない、何にもフォーカスされていない珍しいビートルズ作品となっています。「買わなくてもいい」とまでは言いませんが、最初に手に取るアルバムではないことは間違いないでしょう。
ですが、「ビートルズの楽曲を全て聴きたい!」というファンにとってはこれも大切な作品です。すべてのオリジナルアルバムを聴き終えた後、ボーナストラック位の気持ちで聴いてみてもいいかもしれませんね。
収録曲
①Yellow Submarine
ジョン・レノンとポール・マッカートニーの共作で、ボーカルはドラムスのリンゴ・スター。1966年のアルバム「Revolver」収録曲で、シングルとしても「Revolver」発売日と同じ日にリリースされています。
②Only A Northern Song
ジョージ・ハリスンの曲です。1967年の「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ」セッション時に完成しました。いかにも中期ビートルズらしいサイケデリックな曲です。ビートルズのほとんどの版権を所有する『ノーザン・ソングス』(ジョン・レノンとポール・マッカートニーは株主)という音楽出版会社を皮肉った歌詞になっています。
③All Together Now
ほぼポールの曲。1967年「マジカル・ミステリー・ツアー」セッション時にレコーディングされています。サウンドとしてはスキッフルチックなかなり特殊なアレンジです。
④Hey Bulldog
ジョンの曲。ジョン曰く「すでにあった2曲を混ぜ合わせた曲」。冒頭から印象的なピアノもジョンが弾いています。1968年2月に録音されていますが、エンジニアのジェフ・エメリックは「この曲がビートルズが熱意をもって取り組んだ最後の曲」とまで言っており、そう考えて聞くと感慨深いです。サイケ感は希薄で、ジョージの弾くギターも非常にかっこいいですね。
⑤It's All Too Much
ジョージの曲。1967年5月録音。フィードバックの効いたギターが耳に残ります。曲云々というより、サウンドを色々と試している曲という印象ですね。珍しくジョージのハモンドオルガンが聞けます。6分28秒となかなか長尺です。
⑥All You Need Is Love
ジョンの曲で、1967年7月にシングルとして発売、アルバム「マジカル・ミステリー・ツアー」にも収録されています。ビートルズの代表曲の一つ。
★以下B面はジョージ・マーティンによって作曲されたオーケストラ作品。
⑦Pepperland
⑧Sea Of Time
⑨Sea Of Holes
⑩Sea Of Monsters
⑪March Of The Meanies
⑫Pepperland Laid Waste
⑬Yellow Submarine In Pepperland
まとめ「イエロー・サブマリン(Yellow Submarine)」
1968年「ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)」と1969年「アビー・ロード」の中間時期。バンドは「ゲット・バック・セッション」真っ只中というタイミングで発売された奇妙なアルバム。これを聴いぜひあなたも、ビートルズ作品をコンプリートしてください!