ビートルズをつくった男―ブライアン・エプスタイン (新潮文庫)
１．ブライアン・エプスタインとは？
名前：Brian Samuel Epstein
生誕：1934年9月19日
死没：1967年8月27日(32歳没)
リヴァプールに生まれ、小学校を卒業後は服飾デザイナーを目指します。しかし、親の反対にあい、仕方なく父の経営する家具屋に就職。1952年には陸軍に徴兵されますが、精神鑑定の結果「同性愛者」という診断をうけ除隊となります(時代を感じますね)。
家具屋に戻ると一階に設けられたレコード売り場を担当します。俳優を志して家を出たりもしますが、長く続かず結局レコードを売ります。
1961年知人にビートルズを紹介され、彼らのライブを見に行き、ここで運命の出会いを果たします。
同年12月に彼らのマネージメントをブライアンが行うことが決定し、62年1月に正式契約。10月にはレコードデビューさせます。
２．どんなことをしたの？
①ビートルズにスーツを着させた！
ブライアンが出会った当時のビートルズはジーンズに革ジャンという、いかにも「不良」ないで立ちでした。これをスーツにネクタイ姿に変えさせ、清潔感を演出します。
②ステージでタバコを吸うのを禁止した！
③演奏終わりに一礼させるようにした！
④政治的な発言や歌詞を禁じた。
⑤世界初の衛星放送番組「Our World」にビートルズを出演させた。
３．謎の死因って？
1967年、自宅の寝室にてアスピリン（当時の睡眠薬）の過剰摂取で死去します。自殺が疑われますが、公式の検死結果は偶然の事故死という診断が出ます。これは今も謎に包まれていますが、このころはビートルズがライブ活動を辞めた時期とも重なり、自分の仕事がなくなった事に悩んでいた、とも言われています。
４．ジョンと秘密の関係？
前述したとおり、ブライアン・エプスタインは同性愛者でした。ジョン・レノンに強く惹かれていたといわれていますし、1963年4月にはジョンとブライアンが二人で旅行に行ったことも明らかになっています。しかし、二人の関係がどこまで進んでいたか。それは当の二人にしか分かりません。
５．ブライアンの死がビートルズ解散の原因？
彼の死が直接の原因だったかどうかは定かではありませんが、大きな影響を与えたのは確かです。1967年当時、ヒット曲を一番書いていたポールの発言力が大きくなり、ポールもバンドをまとめようと奮闘しますが「空回り」してしまい、メンバーの確執が深刻化。結局修復されることのないまま1971年にバンドは解散してしまいます。
デビュー時からグループを支えた敏腕マネージャーがさることで、グループの存続が危機に陥る。ビートルズ解散から50年近く経過した今でも、変わらないことなのかもしれませんね。
↓1967年「マジカル・ミステリー・ツアー」。ブライアン・エプスタインの死の直後に作られた「I Am The Walus」が収録されています。
